予約をしてある海遊亭に戻った一行は、ピザ生地を人数割りして、作業を開始します。
島の女性たちの中では、厚めでもっちりした生地が評判だそうですが、
私はクリスピー生地を目指して、麺棒を使ってできるでけ薄く延ばします(のつもり?)。
生地は全体が膨らむのを防止するために、束にした竹串で耳以外に穴を空けます。

ソースは二種類。
左半分はヒシオソース。もろみとか、金山寺味噌と呼ばれるものです。
女将さんには「生地の上にまばらに乗せるくらいでいいんよ」と教わりますが、
自家製のいい香りのもろみがタッパーにたっぷり入っているのと、
生来の食いしん坊根性で、どうしても写真のようにたっぷり塗ってしまします。
右半分はオーロラソース。ご存知、ケチャップとマヨネーズを混ぜたもの。
思い思いのトッピングをしたものを、専用の台付き軽トラで、数百メートル離れた釜まで輸送
ポイントは具材を少なめに、チーズはたっぷりと指導を受けますが、
やはり皆さん、出されたトッピングは全て残さず載せてしまいますよね 
別の方の家の前庭にある、石釜は八幡浜の詳しい方が教えてくれたもの。
別料金ですが、chiefが三津で働くY子さんにお願いして特大で新鮮なものを持ち込み、
お店でメレンゲと塩を練り合わせたもので、周りを塗り固めてもらっています。
その「ヒラメの塩釜焼き」が、すでに完成しています。
「こりゃ~、具が多いけん、時間がかかるしまんべんなく焼けんかもよ
」
とか言われながら、次々に石釜にピザが投入されます。
第一回目が焼きあがったら、早速お店に戻り、持ち込み缶ビールでカンパーイ 
表面で固まった塩をゆっくり剥がすと、大皿からはみ出さんばかりの分厚いカレイ 
脂ののりが最高で、ほっくりとした蒸し焼き 
皮以外はそんなに塩気も強くない仕上がりで、これは超旨いです

出ました、「よくばりビザ イケチアーノ」 
人と同じことをするのが嫌いなちょっとへそ曲がりなので、耳をおりかえしたりしています。
かなり薄く延ばしたはずですが、カリカリとはいかずもっちり。
ひしおも、女将さんのいう事を聞かずたっぷり塗ったので、ちょっとしょっぱいですが、
大勢でワイワイ言いながら作って食べるので、美味しくないわけがありません 
先ほどのヒラメは下半分が残っているし、ピザも半分くらいの時点で、すでに皆さん満腹宣言。
ここから、事前にお願いしていた「満腹コース 3,000円」が始まります

その日の漁によって内容が変わるのですが、今日は「カサゴの煮つけ」
ほっくりと薄味で炊き込まれているので、大きめですがするりと入ります。
ほくほくして身離れがよく、口の中でぷりぷりと弾けながら潮の旨味がはじけます 
おひつ一杯に炊いてある「鯛飯」
残りはお土産なるのですが、その場で炊き立てもと一口だけいただきます。
鯛の白身と一緒に炊き込まれたお揚げがポイントでコクが深い。
料理人を経てUターンされた大将の腕がきらりと光ります
「アイナメ」と「コチ」の唐揚げが、どか~んと登場。
「今日は漁がよかったから沢山だせたんよ」と、
ご自分たちのお昼用のピザをてきぱきと準備しながら色んな話をしてくださる女将さんは、
生まれ育ちもこの島。
一昔前はみかんや行商でさかえていたこの島も、今は一番若い子で中学生。
島の人は、対岸の三津や高浜に家を建てて、そちらに移り住んで行ってしまったなど、
昔話を伺いますが、決してさみしそうではなく、常に笑顔が素敵です
こちらで食事などすると、帰りのフェリー代がただになる「おかえり切符」を出してもらえます。
お店から港までは歩いて数分。
わざわざ一緒に来ていただき、船に乗るまでお見送り
15時15分には高浜港に到着し、そこで皆さんともお別れ。
そのまま伊予鉄に乗って、お土産を眺めながら
「あれ?本当に島に行っていたのかな~」なんて、ほろ酔い気分で揺られる
のです。
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