馳走屋 河の(こうの)★★☆
”馳走屋 河の”は、街でも数本の指に入る酒のあてを食べさせてくれる名店です。
早い時間は日本髪を結った着物のオネイサンと、ちょっとアブラギッシュなスーツのオジサマが、カウンターで刺しつさされつ出勤前の準備体操をしています。
”茄子と牛肉の挟み煮(品名の正確性は?)”です。
ベリーレアーで厚めの霜降りの脂が、純和風茄子に上手に吸収されて、醤油でまろやかに纏め上げられています。これがお通しです。
人気店の為、比較的早い時間に物がなくなるのですが、この日は11時半LOまでのOKを戴いて、気合を入れて酒盛り(いや、反省会)の開始です。
”蛸の炊き合わせ”と”筍のキンピラ”です。
食材の中で一番好きな蛸はあれば必ず注文します。家庭では味わえない柔らかく炊き上がった蛸の身を口に運ぶと、この時期独特の蛸の甘みを放ちながらさりげなく消えていきます。
初体験の”筍のキンピラ”はシャキシャキ・ピリピリでビールの友に最適です。
この4月に社会人になったJ君は、(石黒賢+ムーディー勝山)÷2の見た目、名前とも沖縄風なのですが、ちゃきちゃきの東予っ子です。最近の新入社員の殆どが既に彼女同伴の中、就職を期に彼女と別れた彼は新鮮です。社内恋愛を頑張ってくれれば、これからのオジサン達の反省会の酒のつまみに事欠かないでしょう。
刺身は”鮑””アコウ””鯖”で少しつづ戴きます。どれも新鮮でエッジの効いた状態で大将の腕を何気に感じます。特にアコウは白身独特の芳醇な香りが鼻に抜けて、幸せな時間を与えてくれます。
そのアコウは塩焼きにして貰い、素手で持って骨から身をしゃぶり取ります。パリリと火が通ってクリスピーになった皮と、その下のぷりぷりゼラチンの部分がホコホコの白身とあいまって、焼き魚の上等です。
海老のすり身などを大きいししとうの様な野菜に詰めて焼いたものは、野菜の苦味と海老の甘みが新鮮な組み合わせでしょう。
J君が忘年会で”ムーディー勝山”をする事が決まった頃に、ほろ酔い気分も広がり遅い反省会はお開きになります。
ちょっと贅沢したい時に、カウンターで大将との会話を楽しみながら地の旬の物を美味しく戴くと、幸せな気分にさせてくれますよ。
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茄子と牛肉の挟み煮がお通しとは贅沢ですね~
茄子とあぶらは相性抜群だし♪
今年の宴会芸の流行はムーディー勝山と「どんだけぇーーー!!」ですね^^
投稿: アンノハナ | 2007年7月27日 (金) 06時30分
まちがいなく名店かと存じます。
来島海峡の魚になりきるため「潮流体験ツアー」に出かけるような、料理の事ばかり考えてる大将ですもの・・・。
投稿: ますてぃー | 2007年7月27日 (金) 10時44分
新天地でご活躍のご様子いつも拝見しています。”茄子と牛肉の挟み煮”はメニューにもありました。肉の脂と茄子の組み合わせは絶妙でしたよ!(^^)!私は職場で「どんだけぇーーー!!」を聞いたことはありますが、本物の「どんだけぇーーー!!」は良く知りません。何かの番組でオカマさんが発する言葉とか?you tubeでcheckしてみますね。
投稿: アンノハナさんへ | 2007年7月27日 (金) 17時40分
おお、プロが認めるプロの店ですね。私はいけちゃん(弟)に教えてもらってからチョクチョク行っています。名店にありがちな遅い時間に品物が無くなる現象があるので、早い時間に出られた時を狙っています。あの大将こだわりのツアーに参加したいものですが、魚になりきると言う事は海に入るのでしょうか(^_^;)
投稿: ますてぃーさんへ | 2007年7月27日 (金) 17時44分